1984年〜1989年間で生産されたこの車種は、1983年の東京モーターショーで発表されたSV-3の市販車で、日本車初のミッドシップエンジン車である。
ショーモデルであるSV-3からリアスポイラーの形状変更、デジタルメーター、Tバールーフの非装備など若干の仕様を変更して1984年6月に販売が開始された(タカラのチョロQはSV-3当時の意匠が再現されている)。
製造はセントラル自動車。
安価で量産性を高めるため、足回りとエンジン、ミッションは既存の前輪駆動車E80系カローラを流用し生産されており、同様な成り立ちのイタリア・フィアット社のX1/9、こちらのベースモデルはFIAT社初の前輪駆動モデルである128(X1/1)やアメリカ・ゼネラルモーターズ社のポンティアック・フィエロを参考にして作られたという逸話もある。
また、開発時期が英国ロータス社と技術提携していた時期であり、一部ではロータス社が設計した車両をトヨタが生産性を考慮して再設計したもの、と噂された(当時のロータス社でのコードネームはM90/X100とのこと)。
確かに当時、ロータス社がトヨタ・4A-GE型エンジンを搭載した車両を発表する予定はあったが、実際計画されていたのはロータス・エラン後継車種でフロントエンジン・リアドライブであったとされる。
1986年にはマイナーチェンジを行い、スーパーチャージャーやTバールーフの装備車が設定された。
この自動車にAW型は全車パワーステアリングの設定がない。
据え切りこそ重いと感じ、据え切りを行うか、というのは別問題だが、走り出してしまえばノンパワステである事は感じさせず、路面状態を忠実にドライバーに伝えてくる。
ただし、高速度領域ではそのフロント周りの軽さから恐怖を感じることもある。
またWRCのグループSの車両として3S-GTを搭載し、初期は横置きだが後期では縦置きとなり、4WD化された車両も計画されていたが、参戦前にグループS自体が無くなってしまったため、参戦することは無かった。
MR-Sの登場と前後して、再度注目を集めることとなったが、元々の台数の少なさ故、人気が爆発ということはなく、 中古車価格は一定の相場で推移している。
だが、AW系は程度が悪い固体が少なく、丁寧に扱われてきた車両も多く、トヨタからの部品供給も、加工や流用などで対応できる部品を除くが、そう問題なく行われている。
グレード構成
S
G
G-Ltd
Sは3A-U型1500ccエンジン、G、G-Ltdはトヨタ・4A-GE型1600ccエンジンをそれぞれ搭載。Sのみ型式名がAW10、GとG-LtdはAW11。
GおよびG-Ltdには、Tバールーフ装着車及びスーパーチャージャー装着車(4A-GZE型1600ccエンジン搭載)を設定。
マイナーチェンジによる差異
前期
標準車のバンパー・スポイラーがブラックアウトされている。
車重は1トン以下であり、自動車重量税が安い。
後期
フロントスタビライザー径の拡大。
リアサスペンションの容量が拡大され、乗り味が洗練される。
G系のブレーキディスク径の拡大(キャリパーは前後期とも共通)。
オーディオが2DIN対応となり、灰皿の場所やドアトリムなど、内装の意匠が変更される。
S/Gグレードのサイドステップを除くエアロ類がカラード化。
テールランプ内の反射板が円から四角になる。
右サイドエアインテークの形状変更。
リアサスペンション小変更(容量アップ)。
ドア内装デザイン変更。
側面衝突安全基準の問題でサイドドアインパクトビームが内蔵され、Sグレード以外は車重が1トン超に。
後期最終仕様
G-Ltd系のドアノブのカラード化、ドアミラー形状変更(オプションで電動格納式となる)。
リアスポイラーへのハイマウントストップランプ追加。
G-Ltd系Tバールーフ車のトップガラスがハーフミラー化。
自然吸気エンジン車の出力表記変更(グロス130ps→ネット120ps)。
1984年-1985年日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。
限定(特別仕様)車として、「ホワイトランナー(WHITE RUNNER)」と「ブラックリミテッド(前期ベース)」「1600Gスポーツパッケージ(前期のみ)」が設定された。
なお、「ブラックリミテッド」にはリアスタビライザーが装備されている。(形状、線径が後の「ADパッケージ」仕様車に取り付けられているものとは異なる。)
後期モデルのスーパーチャージャー車には、スプリング/ショックアブソーバでサスペンション特性を変更し、リアスタビライザー、回転方向指定タイヤのブリヂストンPOTENZARE71等の装備を加えた「ADパッケージ仕様車」が設定されていた。
なお「ADパッケージ仕様車」以外のモデルにはリアスタビライザーの設定がなく、後期モデルの発売から20年が経過しようとしている現在では、このリアスタビライザーが高値で取引されているという。
発売された特別仕様車
1985年1月〜 ホワイトランナー
ボディ色 スーパーホワイトII バンパー、リップスポイラー、ドアミラー、マッドガードをボディーと同色化 シートを変更 パワーウインドウ及び電磁ドアロック、フロントブロンズガラスを装備。
1986年1月〜 ブラックリミテッド
ブラックメタリックの専用ボディ色 フロントとリアスポイラー、マッドガードボディーと同色化 専用のプロテクションモール ライトグレーの専用シート表皮 専用のステアリング、シフトノブ
1988年1月〜 スーパーエディション
ホワイトとベージュメタリックのツートンの専用ボディ色 ドアノブをボディ同色に カラードリヤマッドガード カラードアルミホイール フロントブロンズティンテッドガラス 一部が本革のシート、本革巻きシフトノブとパーキングレバー MOMOの本革巻ステアリングを装備
1989年1月〜 スーパーエディションII
ブラキッシュブルーマイカの専用ボディ色 カラードリヤマッドガード レカロシート MOMO製の本革巻ステアリング 本革巻シフトノブ、本革巻パーキングレバー 専用ドアトリム、フィン付きフロントワイパーを装備。