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ランチア・ラリー037

ランチア・ラリー037

ランチアが世界ラリー選手権(WRC)に投入したラリーカーであり、四輪駆動のラリーカーが時代の趨勢となる中で、ミッドシップエンジン・リヤドライブ(MR)方式では最後のタイトル獲得車となった。

正式な車名は単に「ラリー」。

FISAから日本でいうJAFにあたるイタリア自動車クラブに交付されたグループBの承認書には、Lancia Rally (151 AR0)と記されており、一般には開発を担当したアバルトの開発コード「SE037」の037を取って037ラリー、ラリー037と呼ばれている。

型式名はZLA151AROで、ベースとなったベータ・モンテカルロ (Monte Carlo / ZLA137ASO)が元々フィアットの計画による低価格ミッドシップスポーツクーペのひとつ、X1/20であったため、この車種もランチアの800番台ではなくフィアットの100番台となっている。

(なお、ベータが828、ストラトスHFが829、ガンマが830、デルタが831である)

デビューは1982年のツール・ド・コルスであり、すでにフルタイム四輪駆動とターボエンジンを装備したアウディ・クワトロ (Audi Quattro)が台頭してきていたが、しかしランチア/アバルトは、当時フルタイム四輪駆動は未舗装路のためのものであるという雰囲気であったこと、開発期間の短縮、ストラトスで培った技術の応用、整備性の良さなどから、ミッドシップエンジン・リヤドライブ(MR)方式を採用した。

ボディデザインはピニンファリーナが担当し、ラリー目的に開発された車には珍しく流麗かつ端正なデザインとなり、シャーシはダラーラ製で、センター部分のモノコックをベータ・モンテカルロから流用し、その前後にトラス構造のスペースフレームを組み合わせている。

エンジンは、1960年代のデビュー以来フィアットの代表的なDOHCエンジンで、フィアット124アバルトラリーとフィアット131アバルトラリーを経て熟成が薦められてきた通称ランプレディ・ユニットが採用された。

ベースとなったベータ・モンテカルロは同ユニットを横置きに搭載していたが、ランチア・ラリー037では運動性向上のために縦置きにされ、さらに出力向上のためにアバルトが開発したルーツ式スーパーチャージャーが追加された。過給エンジンはすでにグループ5レーシングカー、ストラトス・ターボやベータ・モンテカルロ・ターボで経験があったものの、高過給ターボエンジンの急激に立ち上がるトルク特性はラリーに向いていないとの判断から、ターボではなくスーパーチャージャーが選択された。

(なお、後継のラリーマシンとなるランチア・デルタS4では、同ユニットとターボチャージャーの組み合わせとなった。)

デビュー当初、1998ccスーパーチャージャーを積んでいたが、1983年から84年にかけて、当時の過給器係数1.4を掛けて、3000cc未満の排気量クラスとなる2111ccに拡大するとともに大型スーパーチャージャーとしハイブースト化による出力向上が図られ325馬力を誇った。

日本では当時のインポーターであるガレーヂ伊太利屋によって、ラリー・カーのベースとなったノーマルのストリート・バージョンの037(全部で200台作られた事になっている)が、ごく少数が輸入されており、当時の車両本体価格は980万円だった。

037.jpg
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