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ポルシェ・914

ポルシェ・914

ポルシェ・914は、フォルクスワーゲンポルシェ・914とも呼ばれ、ワーゲン・ポルシェというニックネームの通り、ポルシェ社とフォルクスワーゲン社の提携がきっかけとなって生まれたモデルである。

1970年から生産された914は、フォルクスワーゲンの既存のパーツを流用することによりコストダウンを図り、ユーザーの間口を広げた、入門者モデル的性格の強いモデルであり、特に高価なポルシェ・911に手が出なかった若者への訴求力は強く、ポルシェという文化を植えつけるには持ってこいであった。

当時のフォルクスワーゲンはビートルとそのコンポーネントを利用した派生車種の製造・販売を中心にしており、頭打ちになったビートルの業績に頭を抱えていたところに舞い込んだプロジェクトで、フォルクスワーゲンにとっては、ポルシェというブランドによる販売力と、なによりスペシャリティクーペでありながら、実態としてビートルと構造的な差異(外観を除く)をほとんど見せないVW・カルマンギアの後継としての役割を十二分に果たしてくれる存在に捉えられたため、ポルシェに対して協力の受け入れを打診し、ボディの生産はポルシェが、エンジン供給をフォルクスワーゲンが主に担当した。

914は既存のパーツをできるだけ流用することを留意したモデルではあったが、そのレイアウトにかける意気込みはポルシェがポルシェたらしめる由縁で、走行性能に関する部分に関して、出来合いの惣菜をそのまま皿に盛るような真似は極力避けられていたが、エンジンのバリエーションは豊富であり、フォルクスワーゲン製OHV4気筒エンジンは1.7と1.8リッター、ポルシェチューンの2リッターが、また排気量2リッターの911用SOHC6気筒エンジンの中から選ぶことができた。

これらは全て空冷式水平対向エンジンである。

ポルシェの最初の市販車であるポルシェ・356もフォルクスワーゲンの部品を流用していたが、914と決定的に違うのは、エンジンの搭載方法だった。356は、その後のポルシェの伝統ともなるリアエンジンマウントを採用していたが、914に関しては、エンジンとトランスミッションを前後逆に配置し、ミドシップマウントとしていた。

重量物が中央に集中することで前後重量配分を適正値に収めることにより、運動性能の向上を狙っている。

サスペンションは、フロントが911からストラット式を、リアは実用車であるフォルクスワーゲン・411用のトレーリングアーム式をそれぞれ採用していた。流用とはいえ、これまでトーションバー・スプリングしか採用して来なかったポルシェにとって、量産車として初のコイル・スプリングをリアに奢るなど、既存品の流用とはいえ、選定にはこだわっている。

制限がある中に最大限の手間をかけることによって生まれた914ではあったが、誤算があった。

それは、フォルクスワーゲンポルシェ・914という、2社のダブルネームで販売されたことに端を発し、確かにポルシェのラインナップの中では安価だったものの、フォルクスワーゲンの車としては高価というジレンマを消費者に感じさせることになり、その価値を見出せない消費者にとって914はさほど魅力的には映らないものとなってしまい、結局、914は長生きすることなく、1976年には生産中止と短命に終わった。

914.jpg


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